コラム

| 言葉の美マナー | 2019/01/07

自分の仕事に「お」はつけない

 

芸能界や、私のいるモデル業界、その他声優さんやナレーターさんなどの業界もそうだと思いますが、そういった芸能系の業界内では、演者もマネージャーやスタッフも、自分や自社のことであっても、仕事のことを「お仕事」と、「お」をつけて言いますね。

こういった業界ではみんながみんな「お仕事」と言うので、中にいると違和感はなくなってしまうのですが、本来は自分がすることには「お」はつけません。

おそらく、私たちのような業種は、「仕事とは、自分でやりたいと望んでもいただけなければできない、いただけるからこそすることができるありがたいもの」という世界なので、仕事をいただいたことに対する感謝と敬意が含まれているからなのだと思います。
ある種、業界用語です。「オシゴト」という。

今のように一般の方にもこの言い方がひろまったのは、芸能人の方のSNSが増えたからではないかと思います。
みなさんブログなどに、「今日はこれから撮影のお仕事に行ってきます」というように、「お仕事」と書いていらっしゃいます。それがご自分の世界のスタンダードですから。
そして、それをたくさんの方が目にするようになり、一般の職業の方も自分の仕事に対して「お仕事」を使用するようになったと見ています。

私がマナーやプロトコールを学んでいた頃、先生に厳しく「自分の仕事に「お」はつけません!業界の方は癖になっていますから気をつけて!」と習いました。
人に対して、「お仕事お疲れ様でした」「本日は○○のお仕事をいただきありがとうございます」と言うことは正しい。
けれど、「私は昨日はお仕事でどこどこに行ってきました」「今日のお仕事はもう終わったので帰ります」など、自分に対して「お」(つまり尊敬語)は使わないのが正しい日本語です。

そう教わってからは、使い分けるように気をつけています。
業界内では、「お」をつけないと、横柄にも聞こえますから場合に応じてはつけます。
業界外では、「お」をつけていると間違った敬語で子どもっぽく聞こえますのでつけません。
郷に入っては郷に従えという意味合いもありますが、マナーとは臨機応変、その場を円滑に心地よくするためのものですから、その場に応じて変化させることは必要だと思っています。

こういったコラムやSNSではいろんな方がご覧になるので、難しいですが基本的には自分の仕事には「お」はつけないように発信しています。

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