コラム

| 言葉の美マナー | 2019/01/07

「させていただきます」病?

 

丁寧に言おう言おうと思ってのことだと思いますが、とにかく近頃、語尾になんでもかんでも「させていただきます」を使う人が多いですね。

どこでみなさん、こういった言葉づかいを学んでしまうのでしょうか?
「よろしかったでしょうか?」や「こちらコーヒーになります。」が間違った敬語・接客用語として問題になった時のように、爆発的に増えてきているように感じます。
30代以下のわりとお若い方、それも男性に多いように感じます。
これも、ある種の流行りなのだと思いますが、とても違和感があります。
多用するとおかしな日本語です。

一つの文に「させていただきます」はせいぜい一回にとどめましょう。
本来「させていただく」というのは、相手から許可を得ないといけないような時や恩恵を受ける時に使う言葉です。

先日伺ったレストランでも、お料理の説明で「牛肉には、赤ワインソースをかけさせていただきまして、野菜にはフルーティーな柑橘類のドレッシングをかけさせていただきました。」
などと文末がすべて「させていただく」なのです。

これでは、ソースやドレッシングをかけることがまるで悪いことかのようです。
「申し訳ございませんが、ソースをかけさせていただきました」のニュアンスになります。
正しくは、「かけました」「かけております」「おかけしました」で十分です。

タクシーの運転手さんも、「それでは、出発させていただきます」。とおっしゃいます。
いえ、「出発いたします」で十分です。
こちらは行きたいのですから、別に許可はいりません。

メールでも「明日は15:00に伺わせていただきます。」
この表現、とても多いですね。へりくだりすぎです。多用は異様です。
そこまでの敬語が必要なのは、謝罪に伺う時くらいです。
もしくは営業など、相手が望んではいないのだけれど、こちらは伺いたいという場合に使います。
通常は、「伺います」「お伺いします」で、十分正しい敬語であり、まったく失礼になりません。

「させていただく」は「いたします」でいいのです。

一度、ご自分のビジネスメールを読み返してみてください。
「させていただきます」は何回入っていますか?

必要以上にへりくだりすぎていませんか?かえって不快に感じさせてしまいます。
「させていただく」を使う時はあまり多くありません。
許可をいただかないといけない時、恩恵を受ける時、この二つです。

言葉は生物。時代とともに変化していくとは言え、最近は許容されてきていると甘えずに、正しい日本語を使う方が、幅広い年代層の方、富裕層の方からも支持されます。
高級店での接客など言葉が大事な職種の方、ハイクラスな方と接する機会の多い方、エレガンスを目指したい方は、そういった意識を持って一歩抜きんでた存在になっていってくださいね。

「いたします」を使って、すっきりとした正しい敬語で!

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